ダブルフェイス羽毛布団特徴

ダブルフェイス羽毛布団

ダブルフェイスを直訳すると二つの顔です。西川のダブルフェイス羽毛布団の場合だと、一つの顔は保温を主とする布団であり、もう一方の顔はフィット性を良くして保温する布団のことを指しています。簡単に言うと2枚の羽毛布団を1枚に外周の縁を縫い合わせた1枚の3層構造の布団です。

空気層が生み出す適温

ダブルフェイス羽毛布団の空気層

ダブルフェイスの空気層の働きは、2層キルト構造でもなく2枚合わせの羽毛布団でも作れない適温を生み出しています。肌にふれる布団から出た熱を空気層が布団全体に広げてから、上の布団に熱を伝えます。寝心地はまろやかな温もりに包まれて居るように感じます。

イメージ図では空気層はひとつのブロックの様に見えますが、2枚の布団の間にできた層であり布団全体に広がっています。この空気層は羽毛布団の内部にできたバッファゾーンの様なものです。このゾーンで余分な熱とか冷気をまろやかな状態にしていると考えられます。

空気層が温かさを調節していることは、ダウンジャケットでも言えることです。肌とダウンジャケットの間にはインナーのシャツとかセーターなどで何層かの空気層が作られています。

フィット性を羽毛布団と比べると、はるかにダウンジャケットが優れています。もしこの空気層がなかったとすればどうでしょうか?ダウンジャケット1枚だけ着たとしても、さほど暖かくはないでしょう。フィット性と空気層の相乗効果により保温性がアップしていることがイメージ頂けると思います。

ダブルフェイス羽毛布団の作り方

羽毛の吹き込み図

通常の羽毛布団は、格子状に仕切られた側生地のマス目毎に羽毛を吹き込み、側端の吹き込み口を縫合して仕上がります。イメージ図の様なものです。はっきり言って職人の技は必要ではありません。筆者も羽毛布団のリフォームにて吹き込み作業は致しました。

職人技が作るダブルフェイス羽毛布団

ダブルフェイス羽毛布団

ダブルフェイスは表面と裏面ではマス目パターンは異なりますがどちらも基本的に同じ作り方です。

一般的な羽毛布団の作り方とは違いまず格子状に仕切らずに外周を縫合した袋状の側生地に羽毛を入れます。マス目が3×4であれば3等分に職人の勘で袋の中の羽毛を分け、縦方向にミシンでマス目を仕切るように縫っていきます。その後、縦方向に半分のところで羽毛が均等になるように分けて、ミシンで仕切るように縫っていきます。この様な職人技で3×4マスの羽毛布団を作ります。

裏面の羽毛布団も仕切るパターンは異なりますが同様に職人の感覚で羽毛を分けて縫っていきます。

ダブルフェイス羽毛布団の生産効率

ダブルフェイス羽毛布団の製造工程は、上記の様に職人技で成り立っています。生産効率は決して良いとは言えません。

しかし、2019年現在四半世紀にわたって製造し続けられています。(株)京都西川(現在の西川(株))の代表的な羽毛布団のキルト方式だと思います。

生産効率も良くなく、販売価格は高くならざるを得ない、ダブルフェイス羽毛布団はなぜ継続されているのでしょうか。寝心地と安定した耐久性があるからです。

ダブルフェイス羽毛布団の人気

ダブルフェイスの二つの顔を持つ羽毛布団は、その間にあるバッファゾーンの空気層がうまく機能しているため人気があると考えられます。

1層・2層構造の場合だと体に触れている部分に主に熱が蓄えられます。バッファゾーンの空気層を持つダブルフェイス羽毛布団は、熱を布団全体で蓄えているような感じです。布団に蓄えられた熱が布団の側端部に緩やかに広がっているように感じます。

まろやかな温もりで体を包む寝心地がダブルフェイス羽毛布団の人気の一つであると思います。

お買い得羽毛布団を探して安いものを買うのも良いと思いますが、どうしても安いものにはリスクはつきものです。ダブルフェイス羽毛布団をキーワードに探すと、安くはないと思いますがリスクは少ないと思います。こちらの西川の羽毛布団の選び方のページも参考にしてください。

ダブルフェイス羽毛布団の耐久性

二つの顔を持つ羽毛布団は2枚を合体した布団です。各々の布団の構造は、表生地と裏生地を直接縫い合わせたダイレクトキルト方式です。マス目内の羽毛は完全に密閉されていて隣のマス目には移動しない構造です。ダイレクトキルト方式なので安定した状態が続きます。

ダブルフェイス羽毛布団の重さ

フィット性に優れた布団と保温性を目的とした布団を1枚に仕立ています。2枚の布団なので2層とか1層構造より布団の側生地が1枚、2枚多く使用する必要があります。そのため生地の分だけ重くなります。重くなったとしても300g程度であり、布団は広げて使用する為に体感する重さは僅かです。この重さもお気に入りとされるお客様からの使用感も得ています。

ダブルフェイス羽毛布団は、軽くするために上質の軽い生地を使用して、羽毛も少量でも保温力をたもつことができる上質のダウンを使用しています。

ダブルフェイス羽毛布団の継承

西川のダブルフェイス羽毛布団は、寝具店として安心して販売できるランクの羽毛布団と言えます。生地もハイクラスで有り羽毛はグースダウンを使用しています。少々価格は高めですが、ダイレクトキルトであり安定してお使い頂ける構造でもあります。

ダブルフェイス羽毛布団は職人技で生み出されています。現状は工場をフル稼働しても限られた枚数しかできません。この技術の継承が1番の課題になっています。

筆者:野口 英輝

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