羽毛布団の側生地の選定基準

消費者の方が羽毛布団を選ぶ際に側生地の素材や品質を選ぶ際の一助になればと思い、当店のオリジナル柄の羽毛布団の側生地を選ぶ際の選定基準を紹介します。

側生地の発注単位は羽毛布団シングル換算ですと数百枚の量であり慎重に選びました。

今回は、寝心地・耐久性・コストの観点から下の写真の日本製80番単糸超長綿サテン織りの側生地を選びました。

日本製80番単糸超長綿の側生地の羽毛布団kn-4e5870hmの画像

日本製80番単糸超長綿の側生地を選んだ理由について紹介します。

羽毛布団の側生地の選定基準

側生地の選定基準にはどのようなものがあるのか?

まずは素材をどのようなものにするのか?綿にするのかポリエステルなどの化学繊維にするのか合繊にするかを選ぶことから始まります。

感触、柔らかさ、重さ、吸湿放湿性熱伝導率通気性、耐久性、コストなどを総合的に判断しなければなりません。

寝心地を重視する場合には『吸湿放湿性』『重さ』を重視することになります。熱伝導率、通気性も寝心地と無関係ではありませんが、熱伝導率はカバーの素材も考慮する必要があり、通気性を良くするとダウンプルーフ加工が必須なのでコストが高くなってしまいます。

重さとコスト的にはポリエステルですが、吸湿放湿性の事を重視するならポリエステルの10倍以上優れた綿の生地と言うことになります。

綿の羽毛ふとん生地のランク

羽毛布団の側生地で最もポピュラーなものは超長綿です。この超長綿にもランクがあり簡単にランク分けをするなら糸番手です。糸番手の数字が大きいほど糸は細くなりその糸で織った生地は薄く柔らかで軽くなります。

主な選定基準は、寝心地・耐久性・コストです。寝心地を優先するとコストは高くなり耐久性は低下します。耐久性を優先すると寝心地は低下しますがコストは低くできます。

具体的には超長綿の糸番手を60・80・100番手のどれにするか?ということです。

寝心地は60・80・100番手の順に良くなり、コストは60・80・100番手の順に高くなり、耐久性は60・80・100番手の順に悪くなります。

80番手は100番手に近い感触と重さであり、60番手と80番手の違いより80番手と100番手の違いが小さいのが理由です。

大人が使う分には羽毛の耐久性と生地の耐久性を総合的に判断すると80番手が良いとの結論に至りました。

最終的に80超長綿を選ぶことになりました。

綿花の種類

綿花で上質なものは、ギザ、スーピマ、海島綿、ラムコ等々あります。これらの綿花の糸は確かに光沢が良く柔らかな特徴があります。

しかし、今回は80番手であり上記の綿花の特性をフルに活かすには、単糸なら100番手以上か200双糸以上と言うことになるため今回は綿花にこだわらないことにしました。

生地の織り

生地の織りのパターンは、平織り、ツイル、サテンとあります。今回は、硬さと音の少ないサテンを採用することに致しました。

平織り、ツイルは軽さとか通気性において優れた面もありますが音が気になります。

日本製ふとん側生地

今回の生地は、超長綿の80番手のサテンを国内の染色工場にて仕上げたものです。日本製にこだわる理由はズバリ品質です。

海外の100単糸の羽毛布団生地を検討いたしましたが、とても100単糸とは感じられない硬い生地でした。

30余年の経験知から日本製は多少の違いはありますが一定の基準内に品質が安定しているように感じます。

日本製と海外製の違いは、ダウンプルーフ加工の際の職人技の違いによる生地のしなやかさとしても表れます。

ウォシャブルか否か

冬用の羽毛布団と端境期の羽毛合い掛け布団用の生地として品質を決めました。その為に家庭での洗濯を想定していない生地を選定しました。

羽毛布団の側生地の選定基準まとめ

寝具店がオリジナルの羽毛布団生地を発注にあたり、生地の品質を決める内情を記録として残しました。

製品の開発背景をご覧頂くことで、消費者の方が羽毛布団を選ぶ際の判断資料にして頂ければ幸甚です。

冬用と端境期までの羽毛布団は第一に寝心地を重視した製品開発に努めました。

寝心地を重視すると吸湿放湿性から生地は綿素材になり、重さ、耐久性、コストのバランス考慮すると日本製80番単糸超長綿サテン織りの側生地になりました。

ワンランク上の寝心地を希望されるなら、80単糸より100単糸以上の側生地をおすすめします。羽毛布団は側生地だけでなく羽毛・内部のキルト方式なども寝心地に影響しているため羽毛布団の選び方はこれらの要素も考慮してください。

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