羽毛布団のメリット・デメリットとは？

羽毛布団のメリットとデメリットを紹介

羽毛布団のメリットとデメリットを説明するにあたり、まず羽毛布団の普及の歴史を理解していただくことが重要です。

羽毛布団はかつて「高級品」というイメージがありましたが、1990年頃からリーズナブルな価格の製品が増え、広く普及しました。その一方で、低価格化に伴い品質のばらつきが見られるようになり、一部でデメリットも指摘されています。

いわゆる廉価版の羽毛布団が増えたことが、デメリットの要因を増加させた原因と考えられます。それでは、羽毛布団のメリットとデメリットについてわかりやすく解説します。

羽毛布団のメリット

羽毛布団のメリットは、暖かさ・軽さ・快適性に加え、お手入れが簡単なところです。それぞれのメリットを以下に詳しく説明します。

メリット1：暖かさ

羽毛布団が暖かい理由は、羽毛が他の素材よりも保温性に優れているためです。ただし、羽毛の種類や品質によって暖かさに差が出ます。

メリット2：軽さ

羽毛布団は非常に軽量で、体への負担が少ないのが特徴です。羽毛の品質や充填量、側生地の素材、キルト構造によって重さが異なるため購入時に確認しましょう。

メリット3：快適性

羽毛は温度に応じて羽枝を開閉し、布団内部の熱の移動を調整します。これにより、快適な温度を維持します。ただし、低品質の羽毛ではこの性能が低くなり、さらに2層・3層キルトの場合はこの温度調節機能が少し低下します。

メリット4：お手入れが簡単

羽毛布団は軽くて扱いやすく、頻繁に天日干しをしなくても性能を維持できます。ただし、吸湿性の高い側生地を使用している場合は、起床後に布団を裏返して乾燥させると良いでしょう。

オフシーズンにはコンパクトにたたみ、収納ケースに入れれば省スペースで便利です。

メリット5：優れたフィット性

羽毛布団は体に沿いやすく基本的に毛布を必要としないため布団がはがれることが少ないと言えます。そのためベッドでの使用時においては布団がずれ落ちることも少なく快適にお使い頂けます。ただし、低品質の羽毛の場合は充填量を多くする傾向がありフィット性が悪い場合もあります。

メリット6：優れた耐久性

上質の羽毛布団においては使用年数が通常10年未満であれば、羽毛を打ち直しリフォームができるためコスパに優れています。

羽毛布団のデメリット

羽毛布団のデメリットのいくつかは、低価格の製品においてみられる事象です。特に羽毛布団が普及しだした頃からより安く販売するために製造コストを抑えた品質に無理がある製品が見かけられるようになりました。そのことがいくつかのデメリットを生み出しているのも事実です。

デメリット1：ニオイ

羽毛布団の鳥特有のニオイ(獣臭)の原因は、未成熟ダウンに多く含まれている油脂分が原因です。飼育期間が短くなったために未成熟な鳥から採取されたダウンがニオイの原因です。とくにダックダウンは飼育期間が6-7週と短く中国ではさらに1週間ほど短くなっているとの情報も得ています。特に低ダウン率のダックダウンは、ニオイの問題が多いとされています。

デメリット2：羽毛の吹き出し

ある程度の羽毛の吹き出しは高級品でもあり得ますが、購入当初から羽毛が多く吹き出す場合は側生地のダウンプルーフ加工のミスか縫製ミスが考えられます。日本製の羽毛布団でも、多くは海外生地を使用し、海外で縫製される場合があります。

デメリット3：羽毛布団のランクが解らない

羽毛布団の品質ランクが幅広いため、どのクラスを選べばよいのか分かりにくいというデメリットがあります。これは低価格の羽毛布団の出現により起こっている現象です。通販サイトにて販売されている商品の中には羽毛布団のプロが見ると偽装としか考えられない価格の物もあります。羽毛布団を購入する際は、こちらの羽毛布団の選び方のページを参考にしてください。

羽毛布団のメリット・デメリットまとめ

羽毛布団のメリットはダウンパワー400dp以上の中級から高級羽毛布団の特徴と言えます。一方、デメリットは低価格製品に多く見られる問題と考えられます。購入時には、ご自身の寝室環境や体質に合った羽毛布団を選ぶことをおすすめします。価格だけでなく、品質や機能を重視して選ぶことで、快適な睡眠を実現できます。

筆者:野口　英輝