フランス産ダウン
羽毛の産地の国名をフランスと聞けばダックダウンと言うことになります。理由はダウンは食肉の副産物であり食文化と密接に関係しているからです。
ただマザーダックダウンは食肉の副産物ではありませんがやはり食文化と密接な関係があります。
フランス産のダックダウンの品質は、日羽協の4種類のラベルではプレミアムゴールドのランクには達しないと考えられます。
例外的なものも有るかもしれませんが、93%400dpのロイヤルゴールドラベルまでのクラスになります。
上質羽毛がとれる産地の特徴は寒さと気温差さらに湿度の低さであると言われています。
フランスの緯度と気候
フランスの寒さはどれくらいなのか?フランスの緯度はどれくらいに位置しているのかを下の図で見てください。黄色い部分がフランスです。
フランスは北緯約42度から北緯約51度に位置します。日本人にとって冬の北海道は厳しい寒さの印象ですがその北海道より更に北に位置しています。
北緯約42度から51度と広く気候も、海洋性気候、大陸性気候、地中海性気候に分かれていますが北海道のように寒くはありません。フランスの首都パリの冬季の平均最低気温は3℃前後ぐらいです。湿度はアジアのようにジメジメ感はなくからっとした気候です。
フランス産ダウンのイメージ
フランスと聞くとファッションとかワインあるいは進数のことが思い浮かび、どこか特異でおしゃれなイメージがあるのは私だけではないと思います。
同じ数値のダウン品質でもフランス産と中国産とではなんとなくフランス産を選ぶ方が多いのではないでしょうか。確かに湿度の点はアジアよりヨーロッパの方がからっとしているのでダウンの耐久性は優れているとの専門家の説もあります。
セールストークにて「フランスは冬季寒い北海道より高緯度にあり素晴らしいダウンの産地・・・」などフランスが寒いイメージを与えるものがありますが、北海道よりはるかに温かです。
フランスのダックダウンの品質
フランス産ダックダウンの品質は、よくてロイヤルゴールドラベルのクラスでありメインはエクセルゴールドラベルです。
2016年に朝日新聞で羽毛産地偽装の記事ではフランス産と言って中国産羽毛を混入と紹介されていました。このことから解ることはフランス産ダックダウンより中国産ダックダウンが安いと言うことです。品質も同様に考えるべきです。
フランス産ダウンの人気はフランスのイメージも無関係ではありませんが成熟したダウンが多く耐久性にやや優れている為ではないかと考えます。
フランス産ダックダウンの耐久性は、食文化の違いだろうか?飼育期間が長く成鳥からダウンポールを採取している為と低湿度が関係していると思います。
30余年羽毛布団に携わっていますが、フランス産ダウンにハンガリー産とかポーランド産ダックダウンを混入する偽装の話は聞いていません。
同じダウンパワー、ダウン率の場合においてダウンの人気度は、中国、フランス、ハンガリーの順番に高いと言えます。ポーランドはグースが多くダックは僅かです。
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