J-ラベル付き日本製生地について説明を致します。

生地は、無地の状態言い換えれば何も加工を施していない織り上がった布の状態のものを「生機(きばた)」と呼んでいます。

この段階までは日本製ふとん生地と表示しているものでも海外製の生地である場合があります。

J-ラベルふとん生地になる工程

生機になる工程と品質ランクを簡単にご案内いたします。

布に織るには経糸と緯糸を交互に織らなければなりません。この糸のランクにより生地の仕上がりが異なってきます。

さらに糸になる工程においては、その基となる素材にランクと選別工程においてすでに品質差が生まれているわけです。

この素材と選別工程さらに糸に仕上げるまでの各工程回数と精度により糸のランクが決定されます。

上質の糸は細くて太さも均一であり毛羽焼きの等の処理もされるため、なめらかで柔らかく同じ長さを比較すると軽い特徴があります。

詳しくはこちらの精紡交撚糸の製造工程のサイトをご覧下さい。

さらにこの糸を布に織る工程においても精度が要求されます。織り上がった生地の毛羽を更に焼くなど工程後に検査がされて出荷されています。

日本の繊維メーカーの海外工場においても同様のことが行われています。日本製ふとん生地においても海外の生機を使用するのであれば、特段品質に差がないのではないかと思われるかもしれません。

J-ラベルが添付される理由について説明いたします。日本製ふとん生地と海外製の違いでもあります。

日本製ふとん生地

日本製ふとん生地は国内の染色工場において生地の品質検査を行い、染色前の生地を溶液にいれ洗浄したり異物等を取り除き、幅出し処理を行い、更に毛羽焼き処理などを行った上で染色されています。

この段階においてJ-ラベルが添付可能な「日本製」の冠が付けられる品質になっています。

羽毛布団の側生地の場合は、染色工程が終わるとダウンプルーフ加工を行います。この加工は生地の裏側に薄いビニールシートを圧着させるような加工です。

圧着させた後の処理がさらに「日本製」を特徴付ける加工がなされます。生地をなめらかにしつつ通気性を持たせる加工です。特にこの工程は職人さんの勘と技術力を要する域です。

J-ラベルが添付される日本製ふとん生地は日本の染色工場の技術の集大成というべきレベルの生地に仕上がっているわけです。

日本製ふとん生地J-ラベルの意義

日本製ふとん生地J-ラベル

日本製羽毛ふとん生地にはJ-ラベルが付いています。このラベルが添付されていないものも日本製のふとん生地を使用している羽毛布団もございます。

海外製と比べると、見た目にも明らかに差を感じるものから触れることで更に差を感じることができるものもございます。寝具店でなくても消費者の方でも明らかに違いがわかる場合が多いと思います。J-ラベルがなくても日本製と海外製の生地品質は並べて説明をすれば違いをご納得頂けます。

J-ラベルは羽毛布団の価格に占める割合としては大きなものではありませんが、コストの関係から付けていない場合が現状では多いと思います。

日本製ふとん側生地であることを示すJ-ラベルは、純日本製の羽毛布団を選びたい方にとって国産生地か否かを見分ける数少ないポイントになります。

羽毛布団においては、側生地の品質は羽毛の次に説明をされるのが一般的です。2番手の側生地品質を日本製にこだわりJ-ラベルを添付しているとするなら、羽毛布団を扱って30余年の筆者の見解では、その羽毛布団の品質表示は信頼に値すると言えます。

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