羽毛はダウンとも呼ばれていますが、このダウンはどの様にしてできるのかについて現地取材を基に説明をします。
ポーランドのマザーグースの農場とハンガリーのグース農場とスローターハウス(羽毛の採取と精肉加工工場)さらに精毛工場を視察いたしました。
羽毛の水鳥の種類はグースとダックに大別されますが、卵からふ化して飼育され精肉になる前に鳥の胸部の羽毛を採取して精毛される工程は同じです。
今回はグース羽毛について工程を説明します。
羽毛ができる全の工程
卵からふ化したグースから羽毛が採取され羽毛になる大まかな工程をリスト化します。
- グースの卵は雄1羽に雌4羽の割合で飼育された「マザーグース」が産卵します。
- この卵をポーランドであればアニメックス社等と契約している農場が預かり飼育します。
- 飼育期間が満了すれば精肉加工工場に移動してダウンが採取されます。
- 採取されたダウンは精毛工場に移動して私たちが知っているタンポポの綿毛のようなダウン仕上げられます。
マザーグース農場での孵化
ポーランドとハンガリーではマザーグースの選定基準は異なりますが、いずれにしても健常なグース羽毛が選ばれ雄1雌4の割合で飼育され卵を孵化します。
その間に与えた飼料とか薬品等は厳密に記録されてます。飼育期間は以前は6年程度でしたが4年程度と短くなっています。
孵化した雛はグース農場に移動され飼育されます。
グース農場での飼育
グース農場では孵化のタイミングに分けて飼育されており、グースの最近の飼育期間は16週~18週と短くなっています。
以前は22週~23週程度と長かったのですが鳥インフルエンザ等の影響により短くなっています。
最初の1ヶ月程度は建物内で飼育されますが、その後は屋外での平飼いになります。
スローターハウスでの羽毛採取
精肉加工工場に移動したグースは、電気ショックにて気絶させられと殺後、精肉前に翼の羽とか胸部の羽毛を採取された後精肉加工されます。
現場の写真もありますが掲載は差し控えます。採取された精毛前の羽毛の写真を下に掲載します。
工場にて精毛された羽毛
スローターハウスで採取された羽毛は現在はすぐに本洗浄前に簡単に洗浄殺菌処理をして精毛会社に移されます。
精毛工程は、羽毛の洗浄乾燥後にソーターマシーンに通されて設定されたダウン率に仕上げられます。
この工程が終わったダウンはミキシングマシーンという羽毛品質を均一にするドラムで撹拌され品質を均一にして出荷されます。
ホワイトグースダウン
品質が均一に仕上がった羽毛はダウンパワーを測定後袋詰めされて日本などに輸出されます。
下の写真は、ハンガリーのFBZ社にて筆者が手にしている少し絡む特性のあるスティッキーダウンです。
ダウン品質を尋ねるとハイクラスのマザーグースダウンとのことでした。
以上が卵からグースダウンになるまでの工程です。
こちらにアニメックス社の紹介のサイトを作りました。
羽毛についての詳細は羽毛布団マザーグースのページをご覧下さい。