ゴアラミネート羽毛布団の特徴

ゴアラミネートとは、微粒子の防塵性と通気性を兼ね備えているのが主特徴です。簡単に言うと空気は通すがアレルゲンなどの微細物は通さないフィルムを軽い生地に貼り付けるものです。

ゴアラミネートの羽毛布団は、アレルゲン等の遮断と側生地の軽さと通気性が優れていることがセールスポイントです。そのためゴアラミネートは、軽い羽毛布団を希望される方とか羽毛に対するアレルギー体質の方あるいは蒸れ感が気になる方に取っては羽毛布団の選び方のキーワードとなります。

ゴアラミネート羽毛布団の防塵性

ゴアラミネートのイメージ図

羽毛布団の側生地は通常羽毛の吹き出しを防ぐためダウンプルーフ加工と言ってフィルムをラミネート(貼り合わせ)ています。

ゴアの場合はこのフィルムに微細な穴が網目状に多くあり、空気とか水蒸気程度なら通すがそれ以上大きいアレルゲンとか微細物質は通過できない構造になっています。

通常のダウンプルーフ加工のフィルムとの違いはフィルムの微細な穴がある網目状構造と言えます。そのため羽毛布団の側生地を微細物質が通過しなすため、布団の中の羽毛は汚れず本来のダウンボール形状を保つことが出来るため保温力とか温度調節機能を長く維持できる特徴があります。

更に羽毛布団を使用していくと内部の羽毛も損傷していきますが、この羽毛の微細なダスト破片を布団外部に出さない効果もありアレルギーとか喘息の方にはおすすめしたい機能です。

ゴアラミネート羽毛布団の通気性

ゴアテックスは、一般的な羽毛布団の生地と比較すると1.3倍の通気性があると言われています。そのため蒸れ感の軽減が大きなセールスポイントになっています。

一般的な羽毛布団の側生地の通気性は、1㎝角あたり1秒間に1ccから2cc前後の空気を通すという試験データがあります。ゴアテックスはその1.3倍となると最大2.6cc程度の空気量と考えられますが、どうも基準とする一般的な羽毛布団の側生地の通気性は約1.5cc程度のもので綿50~60サテンクラスの生地の様です。

上質の100単糸サテン生地の通気度はおおよそ2cc程度であり、メーカーおいて羽毛布団を使用した時と同じ状態を想定した試験「手もみ100回」の状態では3cc以内とされています。

ゴアラミネート羽毛布団の通気性は100単糸サテンと同じくらいの通気性であり、これ以上上質の精紡交撚糸とか140単糸、300双糸の側生地の羽毛布団と比較すると優れているとは言えません。

布の通気度(通気性)

空気の通気量として2ccなどのデーターは、フラジール形通気性試験機にて計測されます。布を境に125Paの気圧差を作りその時に1秒間に通過する空気の量です。125Paの圧力差は風速約15メートル(歩くのが困難な風)を当てるのと同じです。この圧力差は寝床内ではあり得ない環境です。

ゴアラミネート羽毛布団の軽さ

羽毛布団の側生地の重さは素材により異なりますが綿80単糸以上の品質がおすすめです。そこで今回は80超長綿の側生地で一般的な羽毛布団とゴアラミネート羽毛布団の側生地の重さを比較することにします。

ゴアラミネート80ラムコ超長綿生地の1メートル角の重さは約100gであり、一般的な80サテンの側生地の重さは約115gより15g軽くシングルの羽毛布団では100g程度軽といえます。1メートル角100gの生地は上質の100単糸か140単糸以上の生地の重さに匹敵します。

この軽さは同品質同量の羽毛を入れたときの布団のかさ高の違いとして表れ保温力の違いとして出ます。

ゴアラミネートは羽毛の吹き出しを強力に防ぐので、糸の打ち込み本数が少ない生地を使う事ができるので羽毛布団の軽量化を実現しています。

ゴアラミネート羽毛布団の特徴まとめ

羽毛布団においてゴアラミネート効果は、防塵性と軽さと軽さに伴う保温力アップさらに通気性に優れた蒸れ感の軽減です。これらの特徴の中で特筆すべきは防塵性です。軽さと通気性は100単糸以上超長綿の側生地の羽毛布団をお使いの方にはおすすめポイントではありません。

ゴアラミネート羽毛布団のメーカー

西川株式会社と浅尾繊維工業株式会社の2社が思い浮かびます。西川株式会社は西川リビング(株)が製造をしていたため統合により製造をする様になっています。

ゴアラミネート羽毛布団の特性を活かす

上質のダウンを適量(やや少なめ)入れる事です。上質のダウンは温度変化に素早く対応します。また少量でも保温力を確保でき、ダウン量が少量であれば、羽毛布団内部の空気の流れがスムースになり外部に水蒸気を放出できます。また、内部構造は1層立体キルトがお勧めです。

羽毛布団に限らず熱を蓄えようとする場合には凝縮熱を蓄えることになります。そのため寝床内においては湿気はどうしても発生します。

敷き寝具の通気性も合わせて考える必要があると考えます。当店のお勧めはムートンパッドの空気層がお勧めです。化学繊維のパッドと違いまろやかな温もりを保ってくれます。

ゴアラミネート羽毛布団への期待

最近のゴアラミネート羽毛布団の生地は柔らかくしなやかになってきたと思います。当店ではアレルギーの方にお勧めをしてきました。当初は2年ほど使用すると防塵性が弱くなるのか?アレルギー反応がおこるとの指摘を受けました。

その後改良が加えられ耐久性もアップされたと説明を受けています。アレルギー反応は店主にはないため自分で体感することができず、さりとてお客様に試して頂くわけにもいかず・・・。とりあえず再度体感する予定です。

ゴアラミネートの耐久性が気になるところです。ゴアテックスのスキーウェアとかフィッシングウェアなどでは、10年も使い続けることは少ないと思います。新しいモデルが出るので買い換えをするためでしょう。ただ使い続けるとどうなんでしょうか?

ゴアラミネート羽毛布団の内部の羽毛は汚れにくくなっていますが、側生地自体はカバーを掛けてもどうしても汚れます。しかし、ゴアラミネートの羽毛布団は現状ではクリーニングが出来ないのが残念なところです。クリーニング出来るようになればと思います。(少数ですがクリーニング対応可能店もあるとの情報があります)

最大の期待は価格の問題です。もう少し安く出来れば普及すると考えます。

筆者:野口 英輝

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