羽毛布団のリフォームに失敗
フカフカになる予定で羽毛布団をリフォームしたが、たしかに側生地は新しくなって戻ってきたがボリュームがない！羽毛布団のリフォームに失敗した！！
あるいは、前よりボリュームはあるが蒸れ感が酷くなった！とか側生地が硬くペーパー音が気になる！等のリフォームに失敗した方は少なくないと思います。
どのような羽毛布団でもリフォームは出来ますが、コスパ以前にリフォームする価値のない羽毛布団もあります。羽毛の知識があればお断りするべき状態の羽毛布団を打ち直しすると「ボリュームがない」という問題が発生します。蒸れ感とかペーパー音は事前の説明不足に選る問題です。
そこで、リフォーム作業を自らしてきた当サイトの筆者が、リフォームができない・あるいはおすすめ出来ない羽毛布団をリスト化して解説します。
目次
リフォームができない羽毛布団
羽毛布団をリフォームする理由は色々ありますが、最も多い理由がボリュームがなくなり寒くなったというものです。
へたりの原因の中にはリフォームしてもボリュームが回復しないものがあります。例えば圧縮袋で保管した後ふくらまなくなった場合などです。
下記のような原因でダメージを受けた羽毛を洗浄するとさらにダメージが進行するおそれがあります。
リフォームが出来ない原因とその理由についてリストアップします。
へたりが酷い羽毛布団
シングルサイズの羽毛布団の場合、4つ折りにして10分程度放置後30センチ未満の場合は羽毛の損傷が大きく標準追加羽毛量ではボリュームが回復しません。
通常の足し羽毛では足らず追加料金が発生します。
ふとん圧縮袋で保管後へたった
圧縮袋は実は減圧袋なのです。ダウンは形状からダウンボールともよばれていて中心部から放射線状に羽枝と呼ぶ枝が生えています。ダウンボールはこの羽枝と羽枝の間に熱を蓄えたり放出したりしています。
圧縮袋での羽毛布団の保管は、実際は強い減圧でありほぼ全てのダウンボールの羽枝を破壊するため、打ち直しによるボリュームアップが期待できません。干してふくらまなければ買い換えてください。
酵素入り洗剤で洗った
ご自分で羽毛布団を洗濯する際に酵素入り洗剤で洗った場合は羽毛が溶けています。つけ置き洗いなどした場合は尚更です。羽毛は髪の毛と同様にケラチンというタンパク質で出来ていて酵素により分解されてしまいます。
ドライクリーニング後にへたった
羽毛は髪の毛と同様の成分なので、ドライクリーニングの石油系の洗浄はダウンから油脂分を取り除きます。油脂分がなくなった髪の毛が割れて枝毛になるのと同様にダウンの油脂分がなくなると割れてしまいます。
ドライクリーニングの場合は極弱いタイプにしてください。
布団乾燥機で強い熱風により毎日温めた羽毛布団も同様のことが言えます。
クリーニング回数が多い
羽毛布団を毎年クリーニングをしているお客様から羽毛布団の寿命について質問されたことがあります。クリーニングから戻ってきた羽毛布団がふくらまず寒いのだか寿命かとの問い合わせでした。クリーニング回数を聞くと毎年だから4回とのことでした。
ドライクリーニングと同様に羽毛のダメージが大きく打ち直し効果が無いと回答しました。
1シーズンでへたったダウン
短期でボリュームがなくなったダウンは薬品によるパワーアップ加工がされた羽毛の可能性があります。短期でボリュームがなくなること自体異常です。
テフロン加工とかグルーダウンなども短期でボリュームがなくなるおそれがあります。
2回目のリフォーム
7年から8年使用した羽毛布団をリフォームしてボリュームを回復出来たので、今回ヘタリが出てきたので2回目リフォームをしたいとの問い合わせを頂きました。
リフォーム後の羽毛の内訳は、80％が再利用の中古ダウンであり、このダウンがさらに7年から8年使用したとすればダメージは相当酷いと考えるべきです。
5年から6年でリフォームしたとしても2回まではおすすめできても3回目は現物を見ないとなんとも言えません。
リフォームがおすすめでない羽毛布団
リフォームに対して積極的な立場と消極的な立場の寝具店があります。リフォーム作業の経験もある筆者がニュートラルな立場で、リフォームがおすすめではない羽毛布団をリストアップいたします。
ダウン率が90％未満の羽毛布団
リフォームに積極的な見解では、ダウン率が70％とか80％未満はリフォームに適さないと言われています。しかし、ダウン率90％未満の羽毛布団をニュートラルな立場で分析をするとその品質が見えてきます。
オリジナル羽毛布団を企画して製品化している当サイトの筆者の私見ですが、ダウン率90％未満である85％の羽毛布団を企画する際の第一条件は品質ではなく価格です。
日羽協のダウン品質をクラス分けするラベルにおいて、ダウン率90％以上400dp以上のロイヤルゴールドラベルの下位はエクセルゴールドラベルのダウン率80％以上350dp以上となっています。この50dpの差は大きくリフォームする価値も同様です。
ダックダウンの羽毛布団
ダックダウンの中でもダウン率95％440dpの品質もあり例外的なものもありますが、おおむねダックダウンの羽毛布団は買い換えた方がコスパ的にお得ではないでしょうか。
世界規模の羽毛供給会社FBZ社にて下記の説明を受けました。
Down is a by-product of meat! Comparing the value of down and meat,goose down is 6% and duck down is 3%.(ダウンは肉の副産物！1羽の鳥の価値においてグースダウンは6％ダックダウンは3％)
追加ダウン量が多いサイズ変更
1枚のダブルから2枚のシングルにリフォームでサイズ変更する場合の追加羽毛量はシングル1枚分に相当します。グースダウンのダブルの羽毛量は標準で1.6kgです。再利用出来る羽毛量は約1.3kgです。シングルのリフォーム後の羽毛充填量は1.3kgであり2枚となると1枚分の足し羽毛が必要です。
コスパ的に買い替えがお得ではないでしょうか？
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