羽毛布団の買い替え

ご使用中の羽毛布団の買い替えを検討する理由は、側生地の破損とか暖かさ・サイズ・重さなど様々あります。

羽毛布団を買い替えをする理由毎に羽毛布団のプロがアドバイスをいたします。ちなみに羽毛布団を取り扱って30余年の筆者の感覚では、羽毛布団の寿命はおおよそ15年前後から長くても20年です。

同等クラスかそれ以上の品質の羽毛布団を購入される場合は、過去に購入された羽毛布団の価格より値上がりしていることをご理解ください。羽毛布団の原材料は全て輸入品であり為替レートの変動だけでも何割も値上がりしています。(2024年現在1ドル約150円~160円)

過去に購入された時と比べて羽毛布団は安くなったと感じるかもしれませんが、安くなったのではなく廉価版の羽毛布団が多く販売されるようになり安くなったと感じるのだと思います。羽毛布団の選び方はまずは品質を重視して選んでぐださい。

それでは買い替えの理由毎に注意点やアドバイスをします。

目次

暖かい羽毛布団に買い替え

羽毛布団が暖かくない理由は、羽毛の汚れとか劣化によるものと元々保温力が低い羽毛を使用している場合の2つが原因です。

買い替える前にチェックして頂きたいことがあります。寝床内が暖かくない理由が羽毛布団でない場合があります。

敷き寝具の保温力を確認してください。仰向きに寝て背中が寒いのかお腹が寒いのかを確認することで寒さの原因が掛け布団なのか敷き布団なのかが解ります。

寒さの原因が羽毛布団だと確認できれば、購入当初は寒くなく気がつけば寒くなっていた場合は、羽毛布団の保温力はダウンが作る空気層なのでボリュームがなくなり保温力は低下しているのが原因の場合がありますます。一度陰干しをすることでボリュームが回復するか、使用期間が10年未満で1度もクリーニングをしていなく側生地が汚れていたり重くなったように感じる場合は羽毛布団のクリーニングで改善する場合もあります。

暖かい羽毛布団に買い替えるポイント

暖かい羽毛布団を選ぶポイントは、今使用している羽毛布団より上質のダウンを選ぶことです。

購入時の羽毛布団の説明書とか添付ラベル等があれば、ダウンの鳥の種類とか「羽毛のかさ高・ダウンパワー(2013年以降)」を参考にすれば品質指標が判ります。

具体的にはダックダウンならグースダウンに、グースダウンならマザーグースダウンを選んでください。以前の羽毛の「かさ高」は現在は「ダウンパワー」の表示になっています。かさ高165mmはダウンパワー400dp、かさ高180mmはダウンパワー430dpに相当します。かさ高5mmがダウンパワー10dpに相当します。同じダウンパワーならダックよりグースダウンが保温力は優れています。

ご使用中の羽毛布団が日羽協に加盟しているメーカー製であれば、添付されているゴールドラベルと同等かそれ以上のランクのラベルが添付されている羽毛布団を選んでください。おすすめはロイヤルゴールドかプレミアムゴールドラベルです。

羽毛の品質は、上記の通り羽毛の鳥の種類で上質のダウンを選び、ダウン率とダウンパワーの数値が高いものを選んでください。

西川のブランドの羽毛布団はダウンパワー表示を基本的にしていません。その場合にダウンパワーを推測するにはこちらの西川羽毛布団の選び方のページを参考にしてください。

羽毛品質だけでなく羽毛の充填量にも注意してください。グースダウンで400dpの羽毛なら暖かさを重視するなら充填量はシングルサイズなら1.3kgがおすすめです。1.2kgの場合は2層キルトがおすすめです。

またキルト方式言い換えると内部の仕切り構造を1層より2層とか3層キルトあるいはハイマチキルト・完全立体キルトの羽毛布団を選ぶと保温力はアップします。

軽い羽毛布団に買い替え

羽毛布団の重さは羽毛と側生地さらにマス目を仕切る布の重さですが汗の湿気により重くなっている場合もあります。まずは干してください。

保温性を維持しながら軽さを追求するには、今使用している羽毛布団より上質のダウンにしてダウンの充填量を少なくした羽毛布団を選んでください。また2層・3層キルト構造の羽毛布団をお使いの場合はハイマチキルト・完全立体キルトの羽毛布団にすることでも軽くなります。

また軽い側生地の羽毛布団にすることでも軽くなります。ただポリエステル系の側生地は軽いのですが蒸れ感が出やすいので、おすすめは綿で100単糸とか200双糸以上の細番手の超長綿生地がおすすめです。テンセルは吸湿性に優れているため重くなり易いので軽さの点ではおすすめしません。

大きいサイズがほしい

サイズの大きい羽毛布団に買い替える方法と使用年数が短く上質の羽毛の場合は羽毛布団のリフォームによりサイズを大きくする方法があります。

布団の丈はロングロングサイズで230cmの布団とかシングルならセミダブルとかダブル・クイーン・キングなど幅に広い布団があります。

室温とか個人の体質に合わせた保温力の羽毛布団をお選びください。上記の暖かい羽毛布団の選び方の項目を参考にしてください。

ロングロングなどにサイズアップした場合は、これまでのカバーは合わないので羽毛布団のサイズに合ったカバーを同時購入をお勧めします。

側生地トラブルでの買い替え

側生地のトラブルの内容により買い替えが良いのかあるいはリフォームとかクリーニングをおすすめすべきかアドバイスも違ってきます。

側生地が汚れている場合はクリーニングもありですが汚れは完全には落ちません。使用期間が短く上質のダウンの場合はリフォームでの側生地交換を検討してください。

側生地が破損した場合は、小さな穴なら補修布をアイロンで融着させることでも対応出来ますが、マス目の仕切り布が外れたとか側生地が経年劣化により大きく破損した場合は買い替えをおすすめします。側生地が経年劣化の場合はリフォームのコスパは望めません。

羽毛の吹き出しについては、少々吹き出すのは仕方がありません。少々の吹き出しはあるものだとご理解下さい。大量に吹き出す場合は、側生地のダウンプルーフ加工の劣化が原因かもしれません。買い替えをお勧め致します。

シルクとか綿なら100単糸より細い側生地は軽くて柔らかであり寝心地は良いのですが耐久性は優れていません。側生地の耐久性を重視するなら綿素材で60番手ぐらいの太い糸の側生地がおすすめです。

臭いでの買い替え

購入した羽毛布団が鳥特有の臭いが強烈で買い替えたいのか?それとも長く使用していて汗等で臭いがあるのか?先の理由は未成熟ダックダウンが充填されているケースなので買い替えをおすすめします。後の理由の場合は一度クリーニングに出すことで解決することもあります。

ただし、購入時期が夏とか初秋など気温が暑いときには、運送途中に高温で蒸された状態になり一時的に臭いが強くなる場合がございます。その場合は箱から出した後エアコンで熱と湿気を取ることで徐々に臭いはとれます。運送途中の高温の場合は通常11月以降の晴れた日に風通しの良い場所に広げて置けば臭いはとれます。

干しても臭いが消えない場合は、信頼できるメーカーのダウン率とダウンパワーの高いグースダウンに買い替えをお勧めします。それでも梅雨などの高温多湿の季節には僅かに臭いはします。

羽毛布団買い替えまとめ

羽毛布団は製造コストだけでも確実に値上がりをしています。コスパを狙うなら販売店の有名メーカーの在庫を狙うべきです。

買い替えのケースなので羽毛布団の魅力については割愛しますがご使用の羽毛布団より素晴らしい寝心地の羽毛布団は存在します。価格にとらわれずに品質重視で選んでください。10万円の羽毛布団を日割り計算すると食パン半個程度です。

羽毛の品質指標のダウン率、ダウンパワー等々はメーカーが表示しています。信頼出来るメーカー製あるいは信頼出来る販売店からの購入をおすすめします。

30余年羽毛布団に携わってきた当サイトの筆者の感覚では、寿命をむかえて羽毛布団の買い替えを検討されているとするなら価格は少なくとも2倍以上になっています。羽毛布団の買い替えの際は十分に品質のチェックをおすすめします。こちらが当店の販売終了商品を案内したページです。

アウトレット品・日本製については、下段の関連サイトに注意すべきポイントをご案内しています。お役に立てれば幸甚です。

古い布団の下取りセールとか無料引き取りは基本的に販売店の費用負担(その分販売価格は高くなります)で行なわれます。安く羽毛布団を処分するには粗大ゴミかグリーンダウンで検索をして下さい。

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