羽毛布団の品質表示票の読み方
羽毛布団の品質表示票に記載されている情報は最低限の基本情報しかありません。しかし、品質を見極める項目が記載されています。
この品質表示票(品票)に記載されている情報をご説明致します。
- サイズ:150㎝ × 210cm SL
- 側生地素材:綿 100%
- 羽毛混合率(ダウン率):ダウン95%フェザー5%
- 詰め物の充填量:1.2kg
- 鳥の種類:グース
- 表示者:(株)京都西川(メーカー)
- 製造国:日本製
この品票には、布団のサイズが幅150㎝長さ210cmでSLシングルロングサイズであることが記載されています。
更に側生地は綿100%の生地を使用して、ダウンとフェザーの混合率いわゆるダウン率がダウン95%フェザー5%、この詰め物を1.2kg充填していると記載されています。
ダウンの鳥の種類はグースであり最終製造国が日本と解ります。表示者が(株)京都西川とありメーカー名が記載されています。メーカー名の記載が無いものも見かけます。
(株)京都西川の羽毛布団を扱われている業者の方であれば、この品番からハンガリーHungaryシルバーSilverマザーグースMother(HS-M)、ダウン混合率95%、内部構造は2層式(TWツイン)であることも解ります。
(株)京都西川のマザーグース羽毛布団なので、少なくともダウンパワー430dp以上であることは判ります。メーカーが違えばダウンパワーの確定はできません。
上記の例はまだ解りやすい方だと思いますが、一般の消費者にとっては、この品質表示票からの字面情報だけでは、羽毛布団の良し悪しを判断するのは難しいと思います。
羽毛布団の品質表示票の数値
羽毛布団の品質表示票には記載されていない、あるいは記載されていても消費者の方には解らない情報をご説明します。
- ハンガリー産シルバーマザーグース
- ダウン洗浄度1000mm
- ダウンパワー430dp
- 超長綿80番手サテン織り
- 2層構造(TWは消費者には意味不明)
この品票の記載内容では、ダウン率とグース羽毛は記載されていますが、それ以外のダウンの品質は解りません。側生地も綿との表示だけで詳細内容は解りません。
よくあるお問い合わせの中に、”商品の説明蘭にはマザーグースと書かれているが、品票には「詰め物グースダウン」との表示ですがマザーグースなのでしょうか”との質問があります。通常は、どのメーカーもマザーグースを詰めた羽毛布団の品票には「グース」とだけ記載することはあります。
品票には「詰め物グースダウン」と記載して、添付ラベル等によりダウンの産地とかダウンパワー値、マザーグースのようなダウンのランクを表しています。
羽毛布団の添付ラベル
この羽毛布団に添付されているラベルを掲載いたします。
メーカーは品質表示票の情報を補完するため説明書とかラベルを添付して、ダウンの産地とか側生地素材の品質等を紹介しています。
- ハンガリー産シルバーマザーグース
- ダウンパワー430dp
- 日本製ふとん側生地
- 2層構造
しかし、添付ラベルにおいても全て補完できない場合もございます。上記の場合ですと、ダウンの1000mm洗浄という表示はありません。しかし(株)京都西川の羽毛布団において、このクラスのダウンは間違いなく1000mm洗浄されています。
側生地素材で「綿」と表示するだけでは品質に幅がありすぎます。そのためギザ45など高級素材を使用した羽毛布団などは別途ものラベルが添付されます。また、日本製ふとん側生地なのか海外製なのかによっても品質に差があり価格も違います。
同じ品質表示であっても価格差ができることになります。この様に詳しく品質を精査することで品質差が明らかになります。当然ですが寝心地も異なります。
品票の「日本製」とあれば、一般的な羽毛布団の製造工程だと、ダウンの吹き込み行程が国内で行われたら「日本製」と表示されています。半製品の段階まで海外製であることが多くなっています。全製造行程が国内である純日本製羽毛布団を見分けるにはコツが必要です。詳しくは下記のサイトをご覧下さい。
日羽協ラベル
西川ブランドには付いていませんが、日本羽毛製品協同組合(日羽協)が作ったダウンの品質を表すラベルです。左の黒色ラベルが最高級ランクのプレミアムゴールドラベルです。
冒頭の「(株)京都西川のマザーグースなのでダウンパワー430dp」との説明に疑問に思われた方もいるかと思います。補足いたします。
(株)京都西川は、日羽協の組合に工場単位で加盟していますが上記のラベルは添付していません。合わせてマザーグースである以上はダウンパワー430dp以上と社内基準で決めているためです。430dpと表示する場合は社内での測定値の平均が440dp以上と決めているそうです。
品質表示票の数値に許容誤差
最後に、あくまで当店の私感でございますが、品票等に記載の各々の数値においてメーカーにより差を感じることがございます。許容誤差を悪用しているのではないかと思えるもケースもあります。
許容誤差には、キルティング+5%、-3%以外にダウン率の-5%とか様々な誤差が認められています。日羽協の規範を遵守する所もあれば、それ以上厳しい自主規制を掛けている西川のようなメーカーもございます。
メーカーから販売店までは、製品情報は100%とは言えませんが90%以上の情報は伝わっていると思います。ただ販売店において全ての情報を説明していない場合があるように感じます。
1例として「ポーランド産ダウン93%、側生地は綿100%の羽毛布団」この説明だけで金額表示をしている場合がございます。この条件だけでは品質と価格差がありすぎます。
羽毛布団の説明は、品質表示票の情報を補う詳細情報を記載すべきと思います。そうしないと消費者にとって羽毛布団の謎の価格差が理解できないと思います。
品質表示票まとめ
品質表示票に記載されている情報は最低限の情報、核となる基本情報なのです。ここに記載されている項目を更に深読みすることで、製品の品質ランクを明らかにすることができます。例えばふとんの側生地の「綿」を深読みすると「超長綿」であり「80番手の糸」であることが明らかになり、更に日本製の生地であることも解ります。
品質表示票は地図で言えば大きな都市が記載されているものです。この都市の詳細な情報は縮小率を大きくして調べることが必要があります。都市名を製品ランクの調査項目と置き換えれば、品質表示票の別の視点からの読み方ができます。
追記:(株)京都西川は西川(株)に統合しています。
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