プレミアムゴールドとマザーグース羽毛布団
マザーグース羽毛布団を通販で購入時にプレミアムゴールドラベルを品質ランクの目安にされている方は多いはずです。また、このラベルをマザーグースの高級羽毛布団と思い込んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでプレミアムゴールドラベル付きマザーグース羽毛布団の価格と品質の真相や通販サイトでの購入時の注意点について寝具店の視点から解説します。
目次
プレミアムゴールドラベルの羽毛布団
プレミアムゴールドラベルとは、日本羽毛製品協同組合(日羽協)がダウンの品質ランクに応じて発行している、プレミアムゴールド、ロイヤルゴールド、エクセルゴールド、ニューゴールドの4種類のひとつです。
プレミアムゴールドはこの中でも最高級のダウンの品質を表します。業界ではブラックラベルとも呼ばれています。
はじめにお伝えしたいことは、プレミアムゴールドラベルはマザーグース以外の羽毛布団にも添付できることです。
プレミアムゴールドラベルの条件
プレミアムゴールドラベル条件は、ダウン率93%以上でダウンパワーは440dp以上で洗浄度は1000mm以上で酸素計数4.8mg以下のダウンであることです。また、日本国内の工場にて羽毛が充填された日本製羽毛布団であることも条件です。
しかし、プレミアムゴールドラベルは、羽毛の量、ダウンの鳥種、産地、色の規定はありません。上記の条件さえ満たしていればマザーグースにも通常グースにもダックダウンの羽毛布団にも添付できます。また、海外製の側生地を海外で縫製していても「日本製」として通用します。
プレミアムゴールドの羽毛の種類
プレミアムゴールドのダウンの鳥種の条件がないため、仮に93%440dpのマザーグースとマザーダックの羽毛布団は同じランクと見なされがちです。しかし、このふたつのダウンはダウンボールの構造が異なりマザーグースが保温力に優れています。
また、仮にダウン率・ダウンパワー・鳥種が同じでも羽毛の産地が異なればダウンの評価は異なります。市場ではポーランドとかハンガリー、ドイツ産マザーグースダウンはアジア産より高評価されています。
とりわけポーランドのコウダ・ヴィエルカ国立動物科学研究所の管理下で飼育されているホワイトマザーグースのダウンは高評価です。
マザーグースとマザーダックの違いについては、羽毛布団のマザーグースとマザーダックは別物のページをご覧下さい。また、ダウンの水鳥の種類や羽毛の品質ランクの違いを理解した上でプレミアムゴールドラベルの品質基準をご理解ください。
プレミアムゴールドとマザーグースの品質基準
羽毛の品質ランクに焦点をあててマザーグースダウンとプレミアムゴールドの特長を表にしました。
マザーグースとプレミアムゴールドの比較
メーカーによりマザーグースの基準は異なりますが、上記の表は市場にあるマザーグースの製品の表示値をベースにしています。
この表からマザーグースとプレミアムゴールドの品質基準は異なることが解ります。
通販サイトの羽毛布団の商品の説明欄に下の写真の様に、「プレミアムゴールド」と「マザーグース」の両方の記載が有れば、93%440dp以上のマザーグースダウンであり高級羽毛布団と言えます。
プレミアムゴールドとマザーグース羽毛布団のランク
マザーグース羽毛布団のダウンパワーは、メーカーにより基準が異なりますが下限は400dpぐらいから480dpぐらいまであり、ダウン率も93%だけでなく95%とか98%のものもあります。
プレミアムゴールドの条件は、ダウン率93%【以上】ダウンパワーは440dp【以上】で洗浄度は1000mm以上で酸素計数4.8mg以下です。【以上】と言うからには、ダウンパワー・ダウン率には幅があります。
下図の様にマザーグースにプレミアムゴールドの条件が加わるとダウンパワーの下限が440dpとなり上質のダウンとなります。
マザーグース羽毛布団の品質は幅があるがプレミアムゴールドラベルが付くことで93%440dp以上に下限が設定されます。しかしまだまだランク幅は広いため、ダウン率とダウンパワーと羽毛の産地・色を総合的に判断する必要があります。
日羽協に加盟メーカーの440dp未満のマザーグースダウンには、プレミアムゴールドの下位ランクのロイヤルゴールドラベルがつきます。
ゴールドラベルの有無
羽毛布団メーカーのなかでも西川株式会社[西川産業(株)・西川リビング(株)・(株)京都西川]、(株)ロマンス小杉、昭和西川(株)などは、日羽協のラベルを付けずに自社の信用において独自のダウンパワー表示しています。(西川の羽毛ふとんにはダウンパワーの表示が無いものがあります。)
西川株式会社(工場単位)と昭和西川(株)は日羽協に加盟していますがゴールドラベルは添付していません。
ダウンパワー表示のない西川ブランドのにおいては西川基準を理解すれば西川の羽毛布団の選び方は簡単です。
信頼度の点において西川(株)と遜色のない山甚物産(株)はラベルを添付しています。更に470dp以上のダウンパワーを示す独自のカードを作っています。
通販サイトでも任意の団体が発行したプレミアムゴールドラベルと同じようなカードを添付した羽毛布団も存在します。
消費者の視点からプレミアムゴールドラベルの有無を考えると、西川など有名ブランドは別にしてやはり添付されている方が羽毛のクラスが解り易く格段に安心感があります。
ゴールドラベルが付かない西川羽毛布団の西川基準とプレミアムゴールドラベルの品質差は、マザーグースにおいてはダウンパワー430dp(西川)と444dp(日羽協)、鳥種混合率は1%以下(西川)と10%未満(日羽協)が主な違いです。
日羽協のラベルの信用力
経済産業省の認可を受けた羽毛製品においてオンリーワンの組織である日羽協が、発行したプレミアムゴールドラベルの信用力は高いと言えます。
布団メーカーは日羽協が発行したプレミアムゴールドラベルを購入して添付しています。メーカーの許容誤差の認識の違いなのかもしれませんが、同じラベルでも側生地越しに伝わってくる手の感触に違いが感じられます。
日羽協ラベルの条件に「鳥種混合率」と言う項目があり、マザーグースを含むグースダウンにダックダウンが混入する割合が10%未満と定めています。
例えるならマザーグースと表示していてもダックダウンが10%未満までなら許容誤差範囲であることになります。鳥種混合率の許容誤差の10%ギリギリのマザーグースは偽物と言わないまでも本物のマザーグースとの品質と価格差は大きくあります。
プレミアムゴールドラベルの裏面に記載された製造メーカー名をチェックして、そのメーカー名の知名度なり信用力なりを判断されることをお勧めいたします。
日羽協はゴールドラベルを発行する一方、ラベルの信用を維持するため加盟メーカーの製品のチェックも行っています。チェックの結果「ゴールドラベル羽毛布団の偽装」が判明した場合は指導を行い、改善されない場合は退会にいたる場合も有ります。
プレミアムゴールドラベル羽毛布団購入時の注意点
プレミアムゴールドラベル付きのマザーグース羽毛布団を購入する際に、その品質と価格について迷われると思います。日羽協が行った試買テストの結果を見ると偽装の文字が依然なくなっていません。
通販ではゴールドラベルの表面の写真しか無い場合が散見されます。プレミアムゴールドラベルが付いているから安心せずに、ラベル裏面に記載のメーカーの信頼度をチェックください。
羽毛の鳥種と品質のチェック
プレミアムゴールドラベルのダウン品質には幅があると認識ください。93%440dpは下限の条件です。
また【プレミアムゴールドラベルの羽毛布団】なら【マザーグース】だと勘違いしないでください。注意が必要な紛らわしい表現に【マザーグース】を連想しそうなの【マザーダウン】があります。マザーダウンはほぼダックダウンです。
羽毛布団を購入する際は、紛らわしい用語があるのでまずは羽毛布団の選び方の基本的な知識をマスターすることから始めて下さい。
羽毛布団の価格
プレミアムゴールドの羽毛品質は上記の通り上質です。しかし羽毛布団として製品となった段階では同じ羽毛でも価格が異なる場合があります。
偽装以外にもプレミアムゴールドのマザーグース羽毛布団の価格を安くする方法があります。一番簡単な方法は詰め物の羽毛量を少なくすることです。
「プレミアムゴールド品質なので羽毛量は少量でも暖かい」この様なキャッチコピーを付けている場合があります。93%440dpマザーグースのシングルの充填量は1.2kgが標準的な量です。
冬用のプレミアムゴールドのマザーグースの充填量は、シングルロングロングとセミダブルは1.3kg、ダブルサイズは1.6kg耐久性を重視するなら1.7kg、クイーンサイズは1.9kg、キングサイズは2.1kgが標準です。
羽毛量が少量でも暖かい羽毛の条件は、95%440dp以上でグースかマザーグースが条件になります。ダウン率93%の羽毛布団の場合はシングルで1.2kgは必要です。
羽毛の産地と色も価格に反映されます。ポーランドとかハンガリー産の方がウクライナとかアジア産より価格は高いのが現状です。また、羽毛の色はシルバーとかブラウンよりホワイトが少し価格は高くなっています。
羽毛布団の価格を下げる方法は、側生地の綿の割合を下げるとかポリエステルの生地を使用する方法もあります。羽毛布団の側生地素材の綿の割合はチェックが必要です。また生地の織り方は通常サテン織りが一般的ですがツイル織り・平織り等もあり、綿素材では糸の太さも価格に関係しています。
羽毛布団の内部構造であるキルト方式も、マス目の数が少ない簡単な立体キルトもあれば保温性・耐久性に優れた密閉ハイマチキルト等もあり価格差が発生しています。
プレミアムゴールドの品質は羽毛がグースかダックかで分かれます。ブラックラベル付きグースダウンの組合わせが良く、その中でもマザーグースダウンとの組合わせがおすすめです。ダックダウンは羽枝の軸が太くボリュームが出やすいのですがグースと比べると保温力が劣ります。
シングルロングのプレミアムゴールドのマザーグース羽毛布団の価格帯は、冬用の羽毛掛け布団なら100,000円前後から500,000円位です。詳しくはこちらの羽毛布団のランクと価格のページをご覧ください。
プレミアムゴールドの羽毛布団の種類
プレミアムゴールドラベルの添付条件に羽毛の量の規定は無いため、冬用はもちろん羽毛量が少ない秋春用の羽毛合い掛け布団にも添付可能です。また夏用の肌掛け布団にも添付されています。
秋夏春冬いずれ羽毛布団にも条件さえ整っていればプレミアムゴールドラベルは添付されます。この場合も羽毛布団のランクを見定めるには、羽毛の鳥種、色、産地、詰め物の充填量を調べる必要があります。
添付ラベルと品質表示票のチェック
下記の写真は羽毛布団に添付されているラベルの一覧です。主なものは、ポーランド産ホワイトコーダ種のマザーグース、プレミアムゴールドラベル、1000mm洗浄、完全立体キルト、側生地のジュエルコット(精紡交撚糸)等です。
通販サイトでプレミアムゴールドのマザーグース羽毛布団を購入する際には、羽毛布団に添付されているラベルの中でも下記のポイントは注意深くチェックして下さい。品質・価格差が生まれる注意ポイントです。
- 羽毛の鳥の種類がマザーグースであること
- マザーグースダウンの産地と色をチェック
- ダウンパワーが450dp以上の場合は別途ダウンパワーのカードをチェック
- 内部キルト構造
- プレミアムゴールドラベルの裏面に記載のメーカー名と信用力?
- 生地の説明カードが有る場合はその内容を読む
品質表示票のチェックポイントを下記の写真にて説明します。
品質表示票において特にチェックが必要な項目をリストアップします。
- 布団のサイズ、シングルロングなら150cm✕210cm
- 側生地素材の内容、表裏共にチェック・綿の割合
- 羽毛の鳥種のチェック(マザーグースでもグースと記載する場合もある)
- ダウン率
- ダウンの充填量
- 品質表示票のメーカー名(OEM製品の場合はプレミアムゴールドラベルの裏面の会社名と異なる場合がある)品質表示票のメーカー名を優先して下さい。
プレミアムゴールドラベルと日本製
プレミアムゴールドラベルは日本製であることは間違いありません。ただし海外製の側生地を海外で縫製した可能性も大きいと言えます。仕上げの羽毛の吹き込み行程が国内であることは間違いありません。
消費者の方にとってプレミアムゴールドのマザーグース羽毛布団は高級ランクの布団なので、国産生地を国内縫製で仕上げられた羽毛掛け布団とイメージしがちです。
しかし「プレミアムゴールドラベルとマザーグースと日本製」と記載の羽毛布団でも全製造工程が日本国内であるとは限りません。
そこで単に日本製ではなく全製造工程が日本国内であることを表す目的で、羽毛充填・縫製・生地が日本製(japan)を意味する3Jラベルをプレミアムゴールドラベルと合わせて添付するメーカーもあります。
「安心の日本製」等のキャッチコピーを付けたプレミアムゴールドラベルの日本製マザーグース羽毛布団が安い値段の場合は、側生地と縫製工程が海外の可能性が高いと言えます。「偽装」とまでは言えませんが「純日本製羽毛布団」に見せかけているケースが多くあります。
購入時の注意点まとめ
プレミアムゴールドのマザーグース羽毛布団を購入する際は、ダウン率、ダウンパワー、充填量、羽毛の鳥種がマザーグースと記載、産地、色、メーカーの信用力、日本製等のチェックが必要です。その他に側生地素材の綿の使用率とか立体キルト方式などもチェックして下さい。
関連サイト
おすすめメーカーは西川ですが知名度は低くても良い会社はあります。しかし社名だけで品質を聞くに及...
購入時にチェックするポイントをリスト化いたしました。勘違いしそうなポイントを紹介致します。...
おすすめは西川羽毛布団!サイズ・寝心地・価格・選び方・メーカーについて解説。西川品質がおすすめ...