日本製羽毛布団は純日本製?
羽毛布団は、全ての製造工程が日本国内で行われているとは限りません。製造原価を抑えるため縫製工程を海外に移しています。最終の製造工程が国内であれば国産品として「日本製羽毛布団」になるわけです。
例えば、海外製の生地を海外で縫製して、国内でダウンを吹き込み縫合すれば、日本製羽毛布団であり国産品として流通しています。はたして品質はどの様なものでしょうか?
私感ですが結論から申し上げると羽毛布団の90%以上は海外縫製です。もしかすると95%以上かもしれません!
日本製羽毛布団として下記の様なラベルが添付されています。ラベルの意味はどのようなものなのでしょうか?詳しく説明します。
目次
日本製羽毛布団の製造3パターン
日本製と表示している羽毛布団の製造工程は下記の3パターンあります。
- 国産生地・国内縫製・国内ダウン充填
- 国産生地・海外縫製・国内ダウン充填
- 海外製生地・海外縫製・国内ダウン充填
この日本製ラベルは3パターン全ての製造工程の羽毛布団に添付できます。
最終の製造工程である「ダウン充填」が国内であれば添付可能なのです。
日本製の生地を国内縫製した純国産と、海外製生地を海外縫製した場合のコストを比較すると驚くほどの差が有ります。
国産生地を海外縫製したケースも少なからずあります。このパターンの場合は、生地が国産のため純日本製との違いを見分けにくい場合もあります。
総じて言えることは、日本と海外の品質管理のレベル差を感じます。価格は高くなっても純日本製の羽毛布団をお勧めしたいのが本音です。しかし、半製品まで海外で作り、最終工程のダウンの吹き込みを国内でした日本製が多いのが現状です。
日本製羽毛布団の品質
海外製の生地で海外の縫製だから、品質が極端に悪いと言うことはありません。更に上質の羽毛布団をお求めなら、純日本製がお勧めであると申し上げたい訳です。
しかし、海外生産の生地を海外で縫製した製品と純日本製を比較すると、生地の質感の違いとか、縫製の丁寧さに違いを感じます。
これらの違いによりメーカーは、製造コストが高くても純日本製を製造していると考えます。当然ながら製造コストが高いため販売価格も高くなります。まさに品質表示票の行間に羽毛布団の選び方のポイントがあります。
国内縫製と海外縫製の丁寧さの違いは、布団の表面からしか見ることはできません。1層立体構造の羽毛布団の場合は、外観から縫製状態がほぼ見えます。
しかし、2層3層構造タイプにおいては内部の縫製状態は見えません。当店の経験では、やはり国内縫製が安心感は高いと考えます。
寝具店でも羽毛布団の作り方を知らない方もいますが、1層立体構造の羽毛布団では上の画像のオレンジのラインの縫製部分は見る事ができません。この部分の縫製が悪いとほどけてマス目の境目がなくなり本来の羽毛布団の寿命前にリフォームにて側生地を交換することになります。
純日本製高級羽毛布団
高級羽毛布団を選ぶなら、信頼できるメーカー製であることが前提条件です。そして羽毛と生地の品質が良く、更に国産生地と国内縫製と日本製の3つのキーワードがあれば純日本製高級羽毛布団です。
例えば、「80番手の超長綿、ポーランド産マザーグース、日本製」と表示している高級羽毛布団の例で説明を致します。「国産生地・国内縫製」の記載の有無により、同じメーカーのマザーグース羽毛布団でも3割程度の価格差があっても不思議ではありません。
消費者の方にとっては羽毛布団の価格差が謎のまま、ともするとアウトレットのお買い得品の様に感じるかもしれません。
海外からの旅行者が爆買して頂いている事実が「日本製」の素晴らしさの証明と考えます。
日本製ふとん生地J-ラベル
全ての製造工程が国内であるかどうかは、寝具店でも判別できない場合がございます。純国産と思える羽毛布団は、側生地の品質が100単糸あるいは200双糸以上の超長綿であれば国産の可能性が高くなります。
あるいは、ギザ45、スーピマなどの綿花の段階まで説明がされている生地を使用している場合は国産であると思います。
ただし、100単糸超長綿だとしても海外で縫製を行っているケースもございます。さらに海外製の100単糸もあるので注意が必要です。
国産ふとん生地を使用していると明記されているか、J-ラベルが付いていれば国産生地です。J-ラベルが付いていない場合でも国産生地である場合は多くあります。
これまでも国産生地の羽毛布団を企画してきましたが、今回当店ではじめてJ-ラベル添付の羽毛布団を企画してみました。
安心の日本製スリージャパン
羽毛布団の製造3パターンを案内しましたが、その中でも「国産生地・国内縫製・国内ダウン充填」の全てを日本国内で行っているものです。
このスリージャパンラベルが付いていれば純日本製と言えます。
J∞QUALITYラベルと日本製の関係
J∞QUALITYのラベルはトコトン国産にこだわった証の製品に付いています。羽毛布団に付いていればもちろん純日本製です。
西川(株)のカタログには、「日本製」と「J∞QUALITY認証」のふたつが併記されている羽毛布団があります。「日本製」だけの場合との違いは説明するまでもありませんが、併記されている場合は純日本製です。
詳しくは、J∞QUALITY認証の羽毛布団とはのページをご覧ください。
純日本製羽毛布団の割合
通常はダウンの吹き込み工程を国内で行った羽毛布団は日本製としています。海外製の生地を海外で縫製した側生地に日本国内でダウンを吹き込み、日本製の冠を付けて販売をしている羽毛布団の割合は、アバウトですが90%以上と思います。
実際の割合はもっと大きいかもしれません。それだけ純国産の羽毛布団は少なくなっています。
注意点は、国産生地を海外で縫製して国内でダウンを吹き込んでいるケースです。この場合「国産生地使用」と表示されているため、縫製も国内であるかのように思い込みがちです。
羽毛品質や種類でも国産の割合が異なります。安いタイプのものは海外の生地を海外で縫製した割合が多くなります。ズバリ申し上げるとホワイトダックダウンとかダックの製品は海外生産のものが多い傾向です。
純日本製羽毛布団の品質
国内で縫製された羽毛布団は丁寧に縫製されています。また、国産生地はネップの数も少ないように感じます。耐久消費財の寝具では純日本製が安心です。
海外生産と純国産品との違いは、ふとんを細部にわたり検品すると見えてきます。サンプリング的に検品をすることは、フィルータとしての店の存在価値でもあるように感じます。純日本製を区別できるラベルのようなものがあればと思います。
高級品の製造工程
有名メーカーにおいても、側生地と縫製は海外で製造加工したものを使い国内でダウンを吹き込み仕上げています。このパターンは多いと思います。
品質表示票の数値は同じでも、純国産品と一部海外製造の羽毛布団では製造コストが違います。品質が全く同じであるならば、有名メーカーにおいても純国産品は作らないはずです。
しかし、高級羽毛布団の現状は製造コストが高くなることを百も承知で、国産生地を使用して国内縫製をしてダウンを充填して仕上げています。寝心地(品質)を追求すると、やはり純国産品にならざるを得ないことの証明です。
純日本製の羽毛布団の中には、国産の生機(キバタ染色前の生地)の側生地を使用しているものもあります。このような国産の側生地を製造するには職人さんの特殊な技術が必要なため製造が間に合わないためか納期にお時間を頂く高級品もございます。
純日本製羽毛布団の見分け方
純日本製の羽毛布団を見分けるには、国産生地である事が条件になります。J∞QUALITY認証があれば純日本製です。
生機は海外の可能性も含まれますが、日本の品質基準に合格した生地であり、国内の生地メーカーの厳しい品質基準をクリアした生地なのです。
国産生地の場合は、国内縫製である可能性は高いと言えます。しかし、国産生地を海外で縫製しているケースもございます。
純日本製の製品を見分けるには、国内縫製が記載されているかどうかも条件に加えると間違いは無いと思います。
日本製と表示されたものの中で純日本製の羽毛布団は、国産生地を使用して国内縫製が条件です。
国産の側生地と国内縫製が製品説明にない場合は、海外生地を海外縫製して国内でダウンを吹き込みした「日本製羽毛布団」である確率が高いと言えます。
キルト構造の種類によっても国内縫製だと解るものがあります。メーカー毎に違いがありますが日本の職人ならではのキルト、例えばダブルフェイスキルト等です。
日本製を強調した説明文は深読みをする必要があります。
海外縫製して羽毛の吹き込み作業を国内でした日本製でも、この様な「ゴールドラベルは国産の証、国内の丁寧な作業、厳格な生産管理の工場にて・・・」の説明文を付けることができます。この説明文は純日本製とは言っていません。
より詳しく表現するなら「日本製の丁寧な羽毛の吹き込み作業、厳格な生産管理の海外工場にて」かもしれません。「純」日本製なら、回りくどい言い方はせず国内縫製をした日本製とすればよいわけです。
「国産生地・国内縫製」は羽毛布団の抜群のセールスポイントです。「日本製羽毛布団」において、この「国産生地・国内縫製」の表示がない場合は記載できないからではないでしょうか?
夏用羽毛布団・ダウンケットの日本製
ダウンケットの主な製造工程は、側生地を袋状に縫製したものにダウンを吹き込み格子状にキルティングします。そのため吹き込み後の縫製のため日本製と表示されていれば国産になります。
ただし、ダウンケットにも種類がありマチ布をつけた立体キルトの製品もあり、この場合は冬用の羽毛布団と同様に日本製か否かの確認が必要です。詳しくはダウンケットの種類と選び方のページをご覧下さい。
国産生地、国内縫製のどちらの記載もない場合でも、国内でしか製造できない超高級な側生地である場合は、純日本製の羽毛布団と考えられます。例えば、ジュエルコットとも呼ばれている「精紡交撚糸」等はその代表的な生地といえます。2024年において精紡交撚糸は当店の知る限りにおいて480tまでは羽毛布団の生地になっています。
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