羽毛布団の重さでの選び方

羽毛布団の重さは、軽いものから重いものまで幅広くあります。高齢者用の羽毛布団の選び方においては軽さが重要視されます。

羽毛布団の【ダウン品質側生地素材品質内部のキルト】の違いにより、ふとんの重さは軽いものから少々重いものもございます。

若い方には羽毛布団の重さはあまり気にならないと思いますが、御高齢者は【暖かく】て出来るだけ【軽い】ふとんを望まれています。

そこで保温力を確保しながら羽毛布団の重さに焦点を当てて、ダウンと生地とキルトごとに羽毛布団の選び方のポイントを解説します。

羽毛布団の重さに関係する注視して頂きたいポイントは、下の写真に掲載の品質表示票と側生地の品質とかキルト構造を説明した添付ラベルです。

羽毛布団の重さでの選び方で注視する品質表示票と添付ラベル

目次

  1. 羽毛布団の重さとは
    1. ダウンの充填量と布団の重さ
    2. 側生地の重さと布団の重さ
    3. キルト構造と布団の重さ
  2. 総重量が軽い羽毛布団の選び方
    1. 羽毛布団の重さを見定める際の注意点

羽毛布団の重さとは

羽毛布団の重さはダウンと側生地と仕切り布の重さです。ダウンは品質により保温力が違うため充填量が異なります。

品質の良いダウンは少量で、品質の悪いダウンは多く詰めるようになります。ダウンの充填量が多くなればふとんは重くなります。

側生地の重さを軽くするには、ポリエステル系の生地は軽くなりますが静電気と吸湿性に劣るので、やはり寝心地とコスパの観点からおすすめ綿の生地になります。綿素材は添付ラベル等で糸番手と織り方を確認する必要があります。

羽毛布団の品質表示票

写真の品質表示票から解ることをご案内すると、側生地は綿、ダウン率は93%、グースダウンの充填量は1.2kgということが解ります。

品質表示票では生地素材が綿であることしか解りません。別途商品説明か添付ラベル等で糸番手とか織り方を確認する必要があります。

キルト構造の違いにより内部を仕切る布の総重量が異なります。仕切り布の重さは、マス目の数が多くなればその分重くなります。ただ2層とか3層の場合は層を仕切る布の重さとして1層あたり約250g-300gは重くなります。

具体的なサンプルで羽毛布団の重さの内訳と総重量を案内します。

例えば、ダウン充填量1200g、80サテン超長綿、シングルサイズで20マス立体キルトの品質の羽毛布団の重さの内訳は、羽毛充填量は(約1200g):側生地の重さ(約800g-900g):仕切り布等の重さ(約100g)です。総重量はおおよそ2100g-2200gとなります。

実際は許容誤差をなくすため2200gより僅かですが重くなっています。

市場にある羽毛布団は、ダウン品質と充填量、生地素材と品質、キルト構造の違いにより重さの内訳と総重量は異なります。ダックダウンは充填量を多くする傾向があります。

上記の例から羽毛布団の重さの内訳は大ざっぱですが、ダウン充填量がふとんの重さの半分以上であり、次いで生地の重さであり僅かですが仕切り布の重さであることが解ります。

それでは、ダウン充填量・生地・仕切り布(キルト)の各項目ごとに羽毛布団の重さでの選び方のポイントを説明します。

ダウンの充填量と羽毛布団の重さ

ダウンの品質を表す指標にはダウンパワーダウン率があります。

具体的な数値としてはダウンパワーは300dpから440dpです。中には470dpのものもございます。ダウン率は80%から95%まであり、中にはそれ以上のものもあります。この数値が大きいほど保温力があります。

そのため少量のダウンで暖かい羽毛布団を作るには、ダウンパワーとダウン率の高いダウン、ズバリ申し上げると440dp以上のマザーグースになります。あるいは別格の値段のアイダーダックダウンがあります。

440dp以上でダウン率95%のマザーグースであれば、シングルで1000g程度で十分な保温力があります。

このケースだと、上記の例のダウン充填量が1200gから1000gになるので、側生地とキルト構造が上記の例と同じとすれば総重量は200g軽くなるわけです。

日羽協のゴールドラベルと羽毛充填量

羽毛のランクを日羽協のゴールドラベルを基準にして4分類に分けて、羽毛布団の種類ごとに冬用の羽毛布団、秋春の合い掛け、夏用の肌掛け布団のシングルサイズの羽毛充填量を一覧表にしました。

プレミアムゴールド
プレミアムゴールド

ロイヤルゴールド
ロイヤルゴールド

エクセルゴールド
エクセルゴールド

ニューゴールド
ニューゴールド

羽毛布団

1.0kg~1.2kg

1.2kg~1.3kg

1.3kg~1.4kg

1.4kg~

合い掛け

0.6kg~0.7kg

0.7kg

0.8kg

~0.9kg

肌掛け

0.3kg

0.3kg

0.4kg

0.5kg

各サイズごとの羽毛充填量の目安

上記の羽毛充填量の表はシングルサイズのものです。サイズが変われば充填量も異なります。サイズごとの目安を下の表にまとめました。

羽毛充填量は、西川(株)の冬用の羽毛布団のマザーグースダウンを基準にしています。上質のマザーグースの場合は下の表より充填量は少なくなります。

SL

SLL

SDL

DL

QL

KL

羽毛量

1.2kg

1.3kg

1.4kg

1.7kg

1.9kg

2.1kg

ダウン品質が低い場合は保温力を確保するため充填量は増える傾向です。別格のアイダーダックダウンの充填量はシングルでは多くても1.0kg位です。

こちらが当店のおすすめマザーグース羽毛布団です。

生地の重さと羽毛布団の重さ

側生地の重さは、基本的には表生地と裏生地の重さです。織られている糸の素材と太さと織り方により重さが異なります。

生地素材をポリエステル繊維にすれば軽く作ることができますが、蒸れやすく寝心地の点ではやはり綿素材がお勧めです。

側生地で軽さを求めるなら綿素材の中でも超長綿です。糸の太さにより生地の厚みと重さが変わってきます。糸の太さは単糸とか双糸のように種類が有りますが、数字が大きいほど糸の太さは細くなり軽くなります。

生地の織り方は、平織りとツイルが軽いのですが音が気になるためサテン織りが一般的です。

軽い羽毛布団に仕上げるなら単糸では100番手、双糸では200番手以上の細番手のサテン織りの生地がおすすめです。さらに上質の精紡交撚糸の側生地があります。

具体的には、100番単糸サテン織りの超長綿の生地は1メートル角の重さは約105g-110gです。シングルサイズの羽毛布団を作るには、おおよそ730gの布が必要です。シングルサイズでは、上質のマザーグースを充填する場合1000gのダウンが必要です。

側生地720gとダウン1000gの合計が布団の重さになるわけですが、格子状に仕切るための内部の布とか縫製の糸なども必要になるため1800g~2000g程度になります。糸番手が太い生地を使用すると重くなります。

羽毛布団を軽く仕上げるためには国産の糸番手の大きい生地がお勧めです。綿の生地では精紡交撚糸480tの生地が軽いと思います。100単糸より更に軽く1メートル角あたり85g-95gです。

各サイズごとの側生地の重さ

側生地の重さも羽毛と同様にサイズが変われば側生地の総重量も変わります。側生地の場合はシングルサイズを100として何倍重くなるかを表にしました。

SL

SLL

SDL

DL

QL

KL

生地重量

100

110

117

130

150

155

キルト構造と羽毛布団の重さ

2層キルトの内部構造 羽毛布団の内部はブロックに仕切られています。布団を軽くするには立体1層キルトがお勧めです。ブロックの数により重さに多少影響を与えますが僅かな違いです。

ただ内部キルトにおいて2層構造の場合は、層を仕切る布(赤い水平のライン)が必要になります。この布はふとんの広さだけあるため重さに影響します。

そこでシンプルな構造で暖かいハイマチキルトとダウンの移動を防ぐ密閉キルトを合わせた『ハイマチ密閉キルト・完全立体キルト』がおすすめです。

総重量が軽い羽毛布団の選び方

軽くて暖かい羽毛布団を選ぶには、上質のダウン具体的にはダウン率95%、ダウンパワー440dp以上のダウンを1000g程度充填して、側生地を100番単糸か200双糸以上の糸番手、あるいは精紡交撚糸の【国産】の超長綿で湿気が発散しやすい【通気性】に優れた側生地の製品をお選び下さい。

綿の側生地においては糸番手が細いほど通気性は良くなります。またダウンプルーフ加工を施していないノンダンプ生地は通気性に優れています。

あるいはアイダーダックダウンとかスティッキーダウンとノンダンプ生地を組み合わせた羽毛布団をお選び下さい。

さらに内部構造をシンプルな立体キルトか1層ハイマチ密閉キルトをお選び下さい。

軽いだけの羽毛ふとんなら、ポリエステルの側地をシンプルな1層キルトでダックダウンを1kg程度充填すれば重さの点では軽くなります。

しかし、軽いだけでは掛け布団としての本来の機能である保温力が劣っては何の意味もありません。重さを重視して羽毛布団を選ぶ際には、まずは保温力にも注意を払う必要があります。

軽い掛け布団の条件は、マザーグースダウンと軽量の側生地で1層立体構造です。実際の羽毛布団の重さは何キロなら軽いのか?シングルサイズで総重量が2000g以下なら軽い羽毛布団です。ダブルの羽毛布団ならシングルの約1.3倍から1.4倍です。

羽毛布団の重さの違いは、100グラム程度では体感出来ません。少なくとも300~500グラム以上の差がなければ布団は広げて使うため体感できません。

介護施設での羽毛布団は空調されて寒くないので、保温力を上げる必要もなくダウンの品質もハイクラスにする必要はありません。

高断熱マンションとかエアコンにより寝室の最低温度が16度以上ある場合は、冬用のふとんではなくダウンの充填量が少なく軽い合い掛け布団がお勧めです。介護施設等では敷き寝具の蒸れ感にも配慮が必要です。

羽毛布団の種類は真冬用だけでなく秋春の合い掛けタイプとか夏用も有ります。合い掛け布団はダウンの充填量も冬用より少なく、その分重さも軽くなるので室温とか季節に応じた羽毛布団をおすすめします。

羽毛布団の重さを見定める際の注意点

羽毛ふとんの総重量は、充填物と側生地と内部キルトの仕切り布の重さです。充填物の重さは品質表示票に記載されていますが、仕切り布と側地の重さは記載が有りません。

低品質のダウンの充填量は、品質表示数値以上に充填されている場合もあり、メーカーの信頼度と合わせてチェックして下さい。メーカーの信頼度での羽毛布団選びもおすすめです。

最近はダックダウンを少量入れて【軽量と低価格】を売り文句にした羽毛布団を見かけます。寝具としての保温力と寝心地の点からみて単に売らんがために生産コストを下げた代物もあるので注意して下さい。

側生地は素材により重さが異なります。主流の超長綿の場合は糸番手と織り方をチェックすることでおおよそ解ります。糸番手の数値が大きいほど軽くなります。織り方は平織り、ツイル、サテンの順に重くなります。

同じ糸番手の超長綿の生地でも国産か海外製かによっても重さは異なります。高級羽毛ふとんに使われている海外製の高級生地以外は国産の生地の方が少し軽いと言えます。

羽毛ふとんの魅力は重さが軽いと言うだけではなく、暖かく快適な温度に調節する機能が備わっていることです。これらの魅力がバランス良く備わったふとんの条件は、こちらの羽毛布団の選び方のページをご覧ください。

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